熟成寿司の会2020.2.10

日本酒好きはこだわり人が多いです。
日本酒を通じて知り合ったSATOさん、食事とのペアリングを熱心に探究していてとても尊敬しています。
SATOさん企画のペアリング会、前回はイタリアン(日本酒に合わせて作っていないイタリアンです)とのペアリング会に私が持ち込んだのは藤井酒造の龍勢黒ラベルと日本盛の惣花でした。生ハムやソーセージ、ボロネーゼ、オリーブに負けない日本酒は、ほどよい酸味と旨味が口の中に広がり味のバランスを作りだしました。
そして今回は熟成寿司の会。
豪華なメニュー、写真と共に紹介します。

牡蠣のなめろう(喜久泉)間違いない

ホタテひも、有馬山椒煮(澤屋まつもと)山椒と日本酒の酸味のバランスがGOOD

金目鯛握り

平スズキ握り

本まぐろ赤身漬と葉ワサビ醤油漬(日高見)日高見は万能選手です。

熟成エビのたたき握り(義侠燗がサイコー)

生サバ醤油漬けとイカ肝(奥播磨で合わせました)

白子ムース(奥鹿生酛無濾過)

中トロ(奥播磨)

アワビ柔らか煮(久保田 碧寿)

うにウニ(日高見)

あん肝スイカ奈良漬け巻き(新政)サイコー

言葉も出ません。悶絶!

お寿司を更に美味しくしてくれる日本酒たちよ、ありがとう!!
日本酒銘柄紹介
・喜久泉
・澤屋まつもと五百万石うすにごり
・鍋島 純米大吟醸山田錦45%ゴールドラベル
・久保田 碧寿
・日高見 吟醸うすにごり本生原酒
・奥播磨 純米吟醸生酒超辛黒ラベル
・義侠 純米吟醸原酒50%
・奥鹿 生もと山田錦60 無濾過生
・新政 陽乃島

 


蔵元訪問:広島藤井酒造2020.2.6

2020年になり初投稿は、1月に訪問した広島、藤井酒造での酒造り体験の記録です。
新しい年を迎え、もう2月になってしまい、、早いものです。
さて、龍勢で知られる藤井酒造さんは生酛造りという昔ながらの製法にこだわりを持つ蔵元さんです。
安芸の小京都と称される美しい街並みの広島県竹原市にある蔵の歴史はなんと創業1863年とか。
1863年といえば、リンカーン大統領が奴隷解放宣言をした年です・・なんとすごい!
藤井酒造のすぐ側には、NHK連続テレビ小説で有名な「マッサン」のモデルとなったニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝氏の生家「竹鶴酒造」があります。また今はアニメ「たまゆら」の舞台となっていることでも多くのアニメファンが注目しているエリアです。

藤井酒造 龍勢

ここ藤井酒造さんは昔からの伝統的な日本酒製法にこだわり続けている蔵元ですと紹介しましたが、伝統的な酒造りとは何・・?と思われる方もいると思いますので、少しだけ伝統的な酒造り・・という部分について説明しちゃいます。
日本酒の作り方には、生酛(きもと)、山廃(やまはい)、速醸(そくじょう)など、いくつかの手法があります。生酛や山廃と日本酒のラベルに書いてあるのを見ている方も多いはす。ご存じな方はここ↓読み飛ばしてくださいね。

すご~く簡単に説明してしまうと、「生酛、山廃=自然界の乳酸菌を取り込んで作る」に対し、「速醸=人工的に乳酸を加えて作る」この違いです。日本酒を作るためには酒が腐敗しないよう日本酒タンクの中を酸性に保つ必要があり、タンクを酸性にするために乳酸がとても大切な役割を果たすのです。そしてこのタンクを酸性にするための手法の違いが生酛、山廃、速醸です。更に同じ自然界の乳酸菌を使う生酛と山廃は、蒸米と水を混ぜて櫂ですりつぶす「山卸(やまおろし)」という古来の作業があるかないかで違うカテゴリとされています。生酛=山卸をする、山廃=山卸を廃止(だから山廃)ということです。
ただ、どちらが優れているというわけではなく、山卸をしなくても発酵の力で生酛とは異なる美味しい味のお酒ができることが分かったので、生酛も山廃もどちらも存続しています。
速譲も同じで乳酸を加えることで短期間で品質の良い口当たりのキリっとしたお酒が出来ることが分かったのです。長い歴史の中で日本酒が研究され変化している証拠ですね!

いやはや、前置きが長くなりましたが(日本酒の話はなぜか前置きが長いんですよね~笑)
前述のとおり、昔ながらの製法にこだわる藤井酒造さんで今回体験させていただい古来の方法で蒸米と水を混ぜて櫂ですりつぶす「山卸(やまおろし)」作業です。こんな貴重な体験、なかなかできないです。
豊富で良質な水、緑の山々、寒暖のある気候を力にして、蔵人と蔵に住み着く酵母たちが自然のままに醸されていく、そんな酒造りを真近に見て、日本酒も日本人もすごいなって改めて思いました。

5代目藤井社長によると、この作業の時に歌を歌っていたと教えてくれました。酛すり歌というのかな?
生歌を聴いてみたいですね!
米擦りの作業は二人一組のチーム作業でした。相手との呼吸を合わせて行うので歌を歌いながらというのも納得です。

この他の工程でも、酒造りはチーム作業なんだということを強く感じます。息の合った蔵人たちの無駄のない動きは日本古来の武道のように気の入った美しいものでした。忘れられない映像として心の奥まで届きました。
藤井酒造の皆様、ありがとうございました!